※この記事は2025年に最新情報に基づき全面リライトしています。
夕方のニュース番組を見ると、事件や社会問題が起きるたびに街頭インタビューが登場する。
さしさわりない意見から、やたら核心を突いたコメント、面白い受け答えまで内容はさまざまだ。
しかし近年、テレビの街頭インタビューに対して
「これ、やらせじゃないの?」
と疑う声が増えている。
実際、SNSの普及によって“同じ人物が何度も別の局のインタビューに登場している”証拠動画が次々に見つかっており、街頭インタビューの信頼性は大きく揺らぎつつある。
以下は、そんな“疑われる街頭インタビュー”をまとめた動画だ。
▼やらせ疑惑が指摘されている街頭インタビューまとめ動画
街頭インタビューで「やらせ」が起きやすい理由
街頭インタビューは「視聴者の声」「一般市民の意見」として扱われるため、本来であれば最も純粋であるべき部分だ。しかし現実には、制作側の都合から“作られた世論”が混ざり込む余地がある。
その理由は大きく二つだ。
理由①:時間の節約と効率性のため
駅前でインタビュー班を見かけることがあるが、実際には“使えるコメント”を集めるには長時間かかる。
寒い日や暑い日なら、なおさらハードだ。
さらに近年はカメラ慣れしていない人がインタビューに答えたがらず、SNSに動画が残ることを恐れて断るケースも増えているという。
そこで、制作側がつい頼ってしまうのが――
「エキストラ(売れない役者やアルバイト)」に演じてもらう方法 である。
- 撮影は数分で終了
- コメントの質も安定
- 放送時間に余裕を持って間に合う
こうした“制作上の効率性”が、やらせを生む温床となっている。
もちろん、すべてがやらせではないが、仕込みコメントが混ざる構造的な理由はここにある。
理由②:番組として“世論を形作りたい”から
テレビは今でも強い影響力を持っている。
とくに夕方ニュースやワイドショーは視聴者数が多いため、
「こういう意見が多いですよ」
という形で街頭インタビューを流すだけで、“一般的な世論”として機能してしまう。
これは次のような効果をもたらす。
- 視聴者が“多数意見”に同調しやすくなる
- あまり考えない層ほどテレビの意見をそのまま受け入れる
- 結果として番組が作りたい方向へ世論を誘導できる
つまり、街頭インタビューは単なる“市民の声”ではなく、
番組が提示したい空気感を演出する装置 として利用されることがあるのだ。
「そんなことあるわけない」と思う人もいるかもしれないが、残念ながらテレビには“脚本を演出する文化”が昔から存在しており、それが報道の現場まで浸透しているケースは珍しくない。
テレビの街頭インタビューに必要な「距離感」
街頭インタビュー自体が悪いわけではない。
なかには本当にリアルで価値ある声も多い。
ただし、テレビという巨大メディアが“作られた声”を紛れ込ませるリスクがある以上、
私たちは 「テレビはあくまで編集された情報である」
という距離感を持つ必要がある。
ネットが普及し、YouTubeやSNSで多様な情報に触れられるようになった今、
テレビはより刺激的で注目を集める内容を求めるようになった。
その焦りが、街頭インタビューにおける“演出”や“作られた世論”につながっているとも言える。
【まとめ】 やらせが無くならないのは「構造的な理由」があるからだ
- 街頭インタビューは時間と労力がかかる
- 扱いやすいコメントを短時間で得るため、仕込みに流れやすい
- テレビには“世論を演出する力”があり、利用されることもある
- SNS時代になり、同じ人物の出演が暴かれることで実態が見えやすくなった
「テレビを見ているとバカになる」とまでは言わないが、
“テレビは編集された情報だ”という前提を忘れないことが大事 である。
街頭インタビューの裏側にある構造を知れば、
情報をそのまま飲み込むのではなく、自分の頭で考えるきっかけにもなるだろう。
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